「保活」は何をする?職場復帰するための保育園の探し方
「子供を保育園に入れたい!」って思っても、そもそも何から始めればいいのか、イメージがつかない方も多いと思います。
本記事は、そのような方に向けて、保活はいつから始めるべきなのか、そして保育園にはどのような種類があるのかを分かりやすく解説していきます。
子供を無事保育園に入れて職場復帰できるように、ぜひ参考にしてみてくださいね。
4月入園に向けた保育園探しはいつ頃?
4月に保育園の入園をしたい場合、保育園探しをするのは遅くとも「前年の10月頃」からになります。入園から半年以上も前から保育園探しをすることに驚きますが、さらに早い方だと、妊娠中に見学を済ませて、気に入った保育園への申込みを済ませている方もいます。
そもそも保育園って何があるの?
保育園には、「認可保育園」と「認可外保育園」と大きく分けて、2種類があります。
認可保育園は、国が決めた設置基準をクリアした保育園です。住んでいる自治体の役所に保育園の入園に関する書類を提出して、いわゆる「点数」で入園可否が決まります。
一方で、認可外保育園は、入園を希望する保育園と保護者の直接契約になります。認可外保育園の中には、東京都など自治体が独自で設置した基準をクリアした認証保育園も含まれます。その他、児童福祉法による保育園設置の認可や認証をを受けていない無認可保育園があります。
認可保育園って何?
認可保育園は、国や自治体の公費、保護者の保育料で運営費をまかなっています。そのため、保育の必要性が認定された場合のみ、認可保育園へ通園することができます。
利用可能月齢
保育園によって異なりますが、0歳児〜就学前の子供を預けることができます。もっとも早く利用可能になるのは、生後57日経過したお子さんです。ママが産休明けで、職場復帰をするタイミングから利用が可能です。
その他、生後6ヶ月からであったり、生後8ヶ月からであったり、1歳から利用が可能であるという保育園もあります。
通園条件
認可保育園に通園するためには、まず役所に書類を提出して、認定審査を受ける必要があります。認定審査とは、保育に欠ける状態であるかの審査です。
保護者が下記の状況である場合に、「保育に欠ける状態であること」となります。
- 働いている
- 妊娠や出産
- 病気や障害
- 介護している
- 学生
保護者の中に日中保育ができる状態であると判断される場合は、認定を受けられません。
また、認定審査により認定されたとしても、通園を希望する保育園の定員に空きがなければ入園ができません。いわゆる「待機児童」となります。定員に空きが出て、「点数」が高い順から役所が入園児童を選定します。内定が決定して、ようやく通園が可能となります。
また、通園するためには通園する保育園がある場所の自治体に住んでいる必要があります。隣接した自治体の保育園の方が近いであるなどの理由で、区や市をまたいで通園することはできません。
申込方法
認可保育園への通園を希望する場合は、役所に書類を提出します。初めて認可保育園を利用する場合は、認定審査も同時に行われます。審査の上、3歳未満であれば「3号認定」として認定証が発行されます。
その後、提出された書類をもとに、利用調整が行われます。利用調整とは、下記「選考指数」と「調整指数」を合わせた点数により、高い点数順に内定が決まります。
なお、ポイントについては、自治体によって設定の数字は異なります。
選考指数
保護者の仕事上の契約(フルタイムの時間なのか、パートタイムの時間なのかなど)を確認して、点数が決まります。週にどれくらいの時間働いているのかが、目安となります。例えば、週40時間であれば「10ポイント」などです。
調整指数
きょうだいがすでに認可保育園に通園している場合や、入園を希望する対象の子供がすでに認可外保育園など有償で保育園に通園中である場合など、それぞれ調整指数として「1ポイント」と加算されます。
申込スケジュール
4月に認可保育園への通園を希望する場合、前年の10月から11月頃までに必要書類を準備して、役所へ提出しなければいけません。住んでいる自治体によって、詳細の日程は異なります。早い自治体では、9月頃から書類の受付をする区もありますので、自分が住んでいる自治体がいつから認可保育園の申込みを開始するのか、役所のホームページを確認しましょう。
なお、提出する書類には、保護者全員分の勤務証明書が必要になります。会社に書類を書いてもらう必要があるため、事前に書類の記入をお願いしてどれくらいで手元に届くかを確認しておくと安心です。
認可保育園申込の大まかなスケジュールは、下記のとおりです。なお、詳細なスケジュールは自治体によって異なりますで、ご注意ください。
- 入園希望前年秋頃:利用案内の公開・申込
- 一次調整結果:1月末〜2月頃に決定内定が決まった場合は、書面や保育園からの電話連絡で所定の日付に内定結果の連絡が届きます。残念ながら、内定が決まらずに「保留」や「不承諾」となれば、一次で空きがある保育園に希望園を変更することが可能です。
- 二次調整:1月末〜2月
- 二次調整結果:2月〜3月
不承諾通知書が届いた場合でも、内定が決まった児童の保護者が4月からの人事異動などで引越しが決まり、内定を辞退して欠員が出ることがあります。欠員の補充により、繰り上げで内定になる場合があります。
保育料
認可保育園の場合、保護者の住民税所得割額によって保育料が決まります。保育料基準額表など保育料を決定するための基準がありますので、住んでいる自治体の保育園利用案内などを確認しましょう。
なお、住民税の確認ができない場合や未申告の場合は、保育料は最高額となります。最近引越しがあり、住民税を収めている地自体と認可保育園に入園を希望する自治体が異なる場合は、住民税が分かる書類の準備が必要です。
認証保育園って何?
認証保育園とは、国の基準には満たないものの、東京都などの自治体が独自に設定した基準を満たしている保育園のことです。3歳児から就学前までの子供を預かる認証保育園はありますが、0歳児から2歳児までの子供を預かる保育園の方が園数は多めです。
なお、認可保育園と異なり、保育の必要性は問われないため、保育料を支払えば通園することが可能です。
利用可能月齢
産休明けの0歳児〜就学前の子供を預けることができます。園によって、預けられる月齢や年齢が異なりますので、気になる認証保育園を見つけたら、ホームページを確認するか電話で直接問い合わせてみましょう。
通園条件
認可保育園ほど条件は厳しくなく、保育に欠けるかどうかは問われません。入園料と毎月の保育料を支払うことができ、内定したら通園することができます。
また、住んでいる自治体も問われません。自宅が区界の場所にあり、隣接する区や市の認証保育園の方が通園しやすいであったり、会社近くの認証保育園への通園の方が便利であったりとニーズに応じて利用ができるので、越境通園が可能です。
申込方法
各保育園に直接申込みをします。申し込む際は、入園料と同じ金額を支払う必要がある認証保育園もあります。入園が決まった場合は、申込み時に納めたお金は入園料に充当されますが、認可保育園に入園が決まったなどの理由で、入園を辞退する場合は納めたお金は戻らないことが多いです。
なお、入園金を収めるかどうかは保育園によって異なりますので、申込みをする際に確認しておきましょう。
申込スケジュール
各認証保育園によって、申込みスケジュールは異なります。妊娠中から受け付けている場合や、入園希望の前年秋から受付を開始する園など、それぞれです。入園を希望する場合は、見学と合わせていつから申し込みが可能か確認しましょう。
なお、園によって入園は先着順であったり、抽選であったりと選定方法も異なります。入園を希望する前年から見学や申込みをしておくと安心です。
保育料
保育料と合わせて、入園金が1万円〜3万円ほど必要です。保育料の中には、おやつやミルク、給食代が含まれている場合がありますが、園によって、おやつ代や給食は別途必要な場合がありますので、保育料の内訳について確認しましょう。
保育料には幅がありますが、4万円〜9万円の保育料が相場です。もちろん、月に預ける時間によって保育料の金額が異なります。
無認可保育園って何?
児童福祉法の認可や東京都などの自治体の認証を受けていない保育園です。企業が従業員のために作った企業内保育所も無認可保育園になります。認可や認証の設置基準に満たないものの、園によって特色を持って運営されています。
利用可能月齢
0歳児〜就学前の子供を預けることができます。無認可保育園も園によって、対象の月齢や年齢が異なってきますので、各園に確認をしましょう。
通園条件
通園条件は、認証保育園と同様に、保育の必要性に欠けるなどの理由は問われません。住んでいる場所も通園条件に問われないため、希望の保育園に通園することが可能です。
申込方法
園と保護者の直接契約になるため、各園に直接申込みをします。申し込む際は、連絡先だけを伝えるだけの園や入園金の支払いとともに申込み、空きが出たら入園が可能になる場合など、園によって異なります。
申込スケジュール
無認可保育園の場合、空きがあればすぐに入れるということがあります。認可保育園や認証保育園より柔軟に対応されているので、4月の入園を待たずして入園することが可能な場合もあります。希望の保育園に確認しましょう。
保育料
無認可保育園の保育料は、認可保育園や認証保育園よりは高いです。理由としては、認可保育園は国や自治体の公費や補助、認証保育園は東京都などの自治体からの補助がありますが、無認可の場合は運営費の補助や公費がないからです。そのため、保護者が負担する保育料が認可保育園や認証保育園と比べると高くなります。
保育料以外にも、入園時に支払う入園金が必要です。1万円〜3万円が相場です。
保育園の違いを知るには、見学をしよう!
保育園は各園によって保育の方針が異なるため、認可保育園であっても認可外保育園(認証保育園・無認可保育園)であっても、園内の雰囲気はそれぞれです。保護者や通園する子供が園の雰囲気に合うかどうかは、見学することでイメージが湧きます。認可保育園だから安全、無認可保育園だから危険ということはありません。
また、通園するには、毎日の送り迎えが必要です。自宅からの通園方法や通園時間の確認のため、見学のタイミングで経路の確認をしておきましょう。
保育園に入れなかったらどうする?
認可保育園の場合、内定が決まらなければ役所より「不承諾通知書」が届きます。育児休業を延長する場合は、不承諾通知書の提出を会社から求められる場合がありますので、書類は取っておきましょう。
4月入園の場合、3月終わり頃まで、引越しなどにより認可保育園や認可外保育園の内定は異動があります。諦めずに、3月いっぱいは認可外保育園の入園を希望する園の幅を広げて、各園に申込みをしておくと選択肢が広がります。
認可保育園や認可外保育園の申込みをしたけれども、残念ながらどこの園にも内定が決まらなかったという場合があります。その場合も考慮して、認可保育園の一次調整の結果が出た頃に、育児休暇が延長できるかどうかを上長や会社に相談しておくと、復職予定時期の4月ギリギリのタイミングで慌てずに済みます。
まとめ
認可保育園のみに絞って、保活をすると入園は厳しいです。保険として認可外保育園の申込みをしておくと選択肢が広がるので、安心です。認可保育園、認証保育園と違いはありますが、いずれにしても大切な子供を預ける施設ですので、見学はしましょう。
また、通園は毎日のことになりますので、通園までの経路も確認しておくと、復職後に後悔せずに安心して就業することができます。